タイポロジー2.0

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以前「フェチ化する世界」というタイトルで、フェティシストの視点によって切り取られた、様々なニッチなシチュエーションの写真を取り扱うサイトを紹介しました。今回は、1960年代にドイツをはじめヨーロッパ諸国で給水塔やサイロを執拗に撮影し続けた写真家、ベッヒャー夫妻の開拓した手法「タイポロジー」のアップデート版とも呼べそうな(?)「一つの対象物を撮影し続ける」というアプローチをとっているサイトをいくつか。

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ミュージックビデオとリップシンク

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最近MonkeyMajikの「桜」という曲のPVを見て、「歌詞の内容やリップシンク(口パク)によって楽曲と映像がゆるやかに手をつなぎつつ、斜め上の世界観をぶつけることによってその差異を面白がる」という手法がかなり好きだということに気がついたのでざくっとまとめてみた。

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逆転の発想について

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先日First Person TetrisというFlashでつくられたゲームを見て、その動きが予想外というか、つい「そっちかよ!」とつっこみたくなってすごく面白かった。こういうアイデアって笑えるし、つい人に教えたくなるよね。要するにこれが逆転の発想ってことなのかも。今回はこういう「そっちかよ!」とつっこみたくなるアイデアを利用したもので、比較的わかりやすいものをいくつか集めてみたよ。

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謹賀新年

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あけましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいいたします。

虚構とエンターテイメント

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ちょっと前に話題になったジョークで「月極定礎ホールディングス」というやつがあって、これはひさしぶりに面白いなあと思った。

どういう内容だったかっていうと、駐車場とかによくかいてある「月極」というのと、ビルの隅っこについてる「定礎」っていうのは、実はそれぞれ「月極グループ」と「定礎グループ」という企業で、日本中の土地の権利を実は所有してたりする。その二つの企業が大合併したというジョークだったんだけど、そのリリースやウェブサイトがなかなかよくできてたものだから、結構たくさんの人達が信じちゃった。 冷静に考えると、「月極」と「定礎」ってなんだろう?ってぼんやりとした疑問に、嘘の刷り込みをさせているところがうまかったんだなあ。

で、これを見て面白いなと思ったのは、とにかく作りこんだ嘘というのはエンターテイメントになるということ。そもそもフィクションってすべて虚構なわけだけど、さも「事実であるかのように」演出されたものがとにかく面白い。

今回はこうした「できすぎた嘘」をいくつか紹介。

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dotFes 2009 KYOTO

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dotFes 2009 KYOTO | creative conference in campus

10/18(日)、京都精華大学で行われるクリエイティブ・カンファレンス「dotFes 2009 KYOTO」に出演しますよ。ものすごい盛りだくさんのイベントで、出演者としてではなく普通に見に行くのが楽しみです。僕は「クリエイティブ大喜利」というイベントに出るよ。当日はものすごい大物の方々の中で恐縮しまくりで豆粒のようになっていそうですが、ぜひぜひ遊びに来てくださーい。

ウィルヘルムスクリームとブレイクビーツの話

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おそらく、世界で一番有名な叫び声:ウィルヘルムスクリーム。もともとは1951年の西部劇「遠い太鼓」の兵士がワニに噛まれるというシーン用に録音された音声の中のアウトテイクで、1970年に入ってBen Burttというサウンドデザイナーがたまたまこの音源のマスターを発見する。後に、彼がSEを手がけた「スターウォーズ」や「インディージョーンズ」のすべての作品の中で(半ばジョークとして)挿入されたこの叫び声は、その特徴的な響きからハリウッドのSE業界の中で「ウィルヘルムスクリーム」と呼ばれ、半世紀以上経った今でもある種の伝統として使われ続けているんだとか。

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楽器とかインターフェイスの話

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ピアノがうまいとか、ギターがうまいとか、ドラムがうまいとか、「音を出す」っていう根本的な所を考えれば、ウマ/ヘタはあまり関係ないはずなんだけども、例えば譜面のような「演奏を再現する」という目的がある限り、その精度によって「うまさ」というのはどうしても測られてしまうわけだよね。もちろん、そういった「うまい」演奏というのは、それはそれで見ていて気持ちいいし、高揚したりもするんだけど、今回注目してみたいのは、そういった「うまい」演奏ではなくて、そこから逸脱しているもの、例えば本来楽器ではないものを楽器にしている、本来の使い方とは違う方法で演奏している、ようなもの。こうした一風変わったテクニックの中に、人と楽器のインターフェイスを考える上でのいろいろなヒントが隠されているような気がしている。

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CBC-NET RENEWAL

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CBC-NET

僕もコントリビューターとして参加させていただいている、クリエイティブ・ポータルサイト「CBC-NET」がこのたびリニューアル。今回から「Dots&Lines」というコンテンツで、様々な分野の方々の連載が始まっています。そうそうたるメンツの中、ヒッジョーに恐縮ながら僕も連載を持たせていただいています。「点と線」というのはちょうど考えをめぐらせていた事でもあったので、ちょっと実験的なことができればいいなーと思っています。

詳しくは連載の中で書かせてもらっていますが、目指すところは「コンテクスト・ジョッキー」といいますか、いろいろな切り口と切り口をつないでいくことでどんどん情報をつないで、無数の情報が瞬く情報の銀河の中に一本の一筆書きのラインを描き出すことです。連載を考えるにあたって、最初ラジオのような感じでやれたらいいなあと思っている時に思い出したのが、細野晴臣さんのラジオでした。レーベルつながりとかエンジニアつながりといったいろんな切り口で毎回違うアーティストを紹介していて、その一筆書きのようなつながりがとても気持ちよかったことを思い出して、畏れ多いですが、そのような気持ちよさを目指せれたらいいなと思っています。というわけで、こちらの連載もよろしくおねがいしますー。

翻訳の面白さ

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翻訳という行為を拡大解釈するという考え方が気になっている。単純に言語から言語への翻訳だけではなくて、言語から図へ、図から図へ、言語からもっと何か他のものへ...何かしらのルールに従って表現の仕方を変換してみるということ。そしてその翻訳のプロセスの中で新たに付加される情報、抜け落ちる情報に注目してみると、すごく興味深い。今回はそうした視点で分類できる面白い作品がいくつかあったので紹介してみるよ。

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