フェチ化する世界




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The World Is Fetish——世界は「フェティッシュ」になった。この言葉の意味を理解しなければ、これからの企業や個人が生き延びることはできません。 - フェティッシュ化する世界 トーマス・フリードマン(大嘘)

インターネットをぐるぐるしていると、自分の知らない世界の情報がどんどん掘り出すことができて面白い。最近個人的にハマっているのはフェティシズムについて調べることで、もう、これは本当にフラクタルの淵を覗き込むようなもので、身体のパーツやシチュエーションがどんどん細分化されていって軽く目眩のようなものを感じるほどだ。フェティシストの執着=変わった状況やモノにかける情熱は感動的なほどで、中にはそのコレクションを惜しげも無く公開している人もいたりする。今回はそんなフェチアーカイブの中でも個人的にびっくりしたものを敬意と共にいくつか紹介。刮目。

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Tea Birds: Nothing but pictures of cute girls at tea. A tea blog like no other.
紅茶を飲む女性ばかり集めたサイト。確かに可愛い仕草だとは思うけど…姉妹サイトとして、ワイン版のWomen With Wineや、眠っている女性ばかりあつめたSleeping Cutiesもある。


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Babes With Books -- Pictures of sexy girls reading and studying. Smart girls are hot!
本を読む女性の写真ばかりを集めている。"Smart girls are hot!"というコピーが秀逸。露出があったりなかったり、不思議な感じ。似た系統だと、Inkling Magazine - She's Such a Geek Photo ContestというGeekな女性の写真を集めたコンテストがある。女性テクノロジー系ライターが"science, technology & other nerdy stuff"について書いた"She's Such A Geek!"という本の関連企画らしい。


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In My Arms
女性が「お姫様だっこ」されている写真ばかりがあつまっているサイト。Poserを使ってわざわざ自作したりもしてる。Sleeping Cutiesとかと通じるものがあるのかな。


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Welcome To Hypnotics World
「催眠術をかけられるヒロイン」フェチ。もはや限定的すぎて何がなにやら....この視点に近いのが、日本のトクサツヒロインハリツケマニアというサイト。特撮のヒロインがハリツケにされている状況を集めている。


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Fogonazos: La ero´tica del robot
Dark Roasted Blend: Ladies & Robots
ロボットと女性の組み合わせ。これはちょっと分かるかも。マシーンとのコントラストが女性らしさを強調するのかな。機材と女性っていい組み合わせなんだよね。コレとか、たまらん。


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Dark Roasted Blend: Girls & Cars (European Vintage Ads)
Dark Roasted Blend: Cars & Girls (American Vintage Ads)
ロボットと女性つながりで車と女性。単純にマーケティングの結果としての表現だったりするんだろうけど、確かにこれだけ集まると感じるものはある...か...も...?


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Girls With Guns In Cinema And Television
Alex's Girls With Guns
ロボット、車、ときたらあとは銃でしょう。女性が銃を持っている写真をあつめたサイト。なんだろう日本でもよく女の子が銃器を持って活躍するようなマンガやアニメが多いけど、なんなんでしょうね。銃は男根を象徴しており...とかあやうくダジャレになりそうな分析を少なくとも日本中で100人はやってそう。いや、もっとか?


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マスク娘のホームページ
マスクフェチ。コラージュまでしててちょっとすごい。そういえばちょっと前に太田出版からマスク☆ムスメっていうマスクした女の子の写真集が出てたけど、みうらじゅんの「マスクは下着である」ってコピーに納得。そういう見方かあ。


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OLDMANCRYING.COM
男性が泣いている写真を集めたサイト。OLD MANとあるけど、中には若い人の写真もある。よっぽどの事が無い限り大人は泣かないから、大人が泣いている写真には「よっぽどの事情」が結晶化されている。同様の視点のサイトはI'm Too Sadや、もっと限定して食べながら泣いているシーンを集めたCrying, while eatingなどがある。


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Flickr: Photos from gandibacardi
これは深すぎて相当ヤバいものを見てしまった、という気分にさせられたもの。 女物のカーディガンフェチの投稿者(男性)が,実際にカーディガンを着て女性モデルの顔写真を顔に貼り付けて撮った写真。深すぎる。


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Maxcat's Giantess Realm
巨人フェチ。とにかく大きい女の人が好きすぎて、合成して巨人写真をつくったりしてる。すごい情熱!巨人フェチというとフェリーニの「アマルコルド」とか思い出すんだけど、もーあんなもんじゃないっス。

結局理解できるとか理解できないではなくて、こういったサイトを見ていると、なんというか、神聖な気持ちになるなあ。こうしたフェティシストたちのコレクションを眺めていてなんとなく思ったのは、ソーシャルブックマークなんかでタグをつけて整理した情報をあとからタグ毎に見直すと、そこにはフェティッシュな世界が広がっているなあという事。タギングっていうのは大げさに言えば、自分だけのフェティシズムのコレクションの箱を沢山持つってことなんじゃないだろうか。情報の整理を加速させるのはフェティシズムだ。Tumblrやffffound!のような、気になったものをサクサクとクリップしていけるようなサービスの登場によって、文脈から切り取られたパーツだけが蓄積されていくような動きを加速していくのではないかと読む。(→参考:caramel*vanilla - Tumblr共有アカウントと専門Tumblrまとめ)そう、情報を整理しつくそうとするweb2.0というイデオロギーは、世界は急速にフェチ化していくのだ。(なんちゃって)ああ、クラクラしてきた。

※フェティシズムという言葉を多用していますが、ここでは単に物や状況に対する執着が強い様子を示す言葉として使っています。wikipediaによれば、厳密には物に対する執着はフェティシズム、状態に対する執着はパラフィリアと分類されるとか。

※当初は、よりセクシャルな方向に向いたフェチサイトもまとめようと思ってたけど、ちょっと広すぎて扱いきれないのと、やっぱりちょっとエゲツないものが多いので、自粛。

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