謹賀新年




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新年明けましておめでとうございます。今年もSLN:blog*をよろしくおねがいいたします。今回は去年書いたエントリーを振り返りつつ、今年のことをすこし考えてみますよー。


SLN3DEXPO Vol.1 2次元画像から3次元画像を生成する技術
なんかつい最近書いたような気がしてたんだけど去年の2月だったのか。随分遠まわしな言い方になっちゃってるけど、モデリングの過程をすっとばして画像から直接3Dデータが生成できたら便利だよねって発想の技術とかをまとめた記事。3D技術の進歩を考えるとものすごく理にかなった方向性だよね。このへんのノウハウがVol.4で紹介したようなAR系の技術に活かされてるのだな、とか繋げて考えると面白いよ。この記事書いた後に知ったのだけど、映像にphotosynth的に写真を合成して、より解像度の高い映像に"enhance"するっていう研究があって、抜群におもしろいです→Using Photographs to Enhance Videos of a Static Scene


SLN3DEXPO Vol.2 2.5次元アニメの技法
これは今年も面白い派生技術がでてきそうだなと思っている分野。ゲーム、なかでもいわゆるギャルゲーといわれているような分野で演出に使われる技術ってのはちょっと注目しておきたい。というのも、この手のソフトって原画がキモで、その原画コストを抑えてどれだけ豊かに見せていくか、つまり1枚の「立ち絵」をどう利用してバリエーションを見せていくかという工夫がものすごくされている世界なわけだけど、数少ないリソースをどう豊かな結果を出すかっていうのは、今後のウェブコンテンツにおいても超重要な問題だと考えてたりします。


SLN3DEXPO Vol.3 Web3Dについて
この時期はまだ実験的なコンテンツが多かったけど、最近ではちゃんとしたクライアントワークでもつかわれてるのもいくつか見るし、だいぶ成熟してきた感じかな。この記事の最後のほうでも書いたけど、今度は動きとかシェーダー部分でいろいろな工夫が見られるんじゃないかな。PV3D+BOX2D的な表現って既にちらほら出てきているようだし。たとえばこのサイト(ティザーのようだから期間限定かも)なんかはモロその方向性。


SLN3DEXPO Vol.4 3次元にCGを合成する
包括的なまとめ的なニュアンスもありで最後にARの話をかいたんだけど、僕の予想では、去年PV3Dでウェブ上での3D表現の実験がいろいろ行われたように、おそらく今年はAR技術でいろいろな実験が出てくるのがちょっとしたブームになると思います。早速katamariさんとこの年賀状サイトはFLARtoolkitですんばらしいものになってたし、海外ではARをつかったキャンペーン事例もでてきているようだし。それこそ「店頭とウェブをつなぐ」とか、そういう耳障りの良い言葉でこの手の企画はプレゼンテーションされまくりそうなヨカーン。そういえば最近この記事が面白い事例をいろいろ紹介してて面白かった。


農家ロイドとマッシュアップ
IKZO、流行りましたねー。調子に乗って僕もつくってみたりしたんだった。こういうネットミームはまとめてみたら面白いだろうなと思うんだけど、まとめてみてもそこに法則性は無いんだろうなあ。ニコニコモンズとか見ても結局あまりもりあがっていないようだし(コモンズツリーってのはあれがちゃんと機能したら相当面白いと思うんだけど)、こういうのって難しいね。広告として、ニコニコ動画みたいな「才能の無駄使い」が集まるプレイグラウンドにいかにしてミームを放流するかってところを考えるのも面白いんじゃないかと考えていたこともあったけど、相当難易度高いと思った。ミームの話については今年1つは記事かいてみたいな。アメリカの映画業界でWilhelm Screamっていうめちゃ面白い現象があるんだけど、たとえばそのへんの話しと絡めたりして。


ちょっと金沢まで
去年は新しいカメラを買ったこともあって旅行のなんでもない写真なんかもアップするようになりました。そういえば去年は海外に一度もいかなかったから今年は海外旅行に行きたいな。


デスクトップをモチーフにした作品
そういえばAdobe Photoshop CS4の広告でこんなのがあったなあ。PCの存在があたりまえになってきて、誰もがこのインターフェイスを共通認識として持ったときに、こういうインターフェイスをモチーフにして何かを伝えようとする手法ってのはたくさんでてくるはず。昔はギーク同士のジョークだったのが、普通の広告表現としてでてきてるもんね。昔からよく見る発想としては、たとえばWWFなんかの広告で、絶滅した動物をクリックすると404画面になってるとか、絶滅した動物の画像がばってんアイコンになってたりとかそういうの。


マリリン・モンロー・ノー・リターン
野坂昭如の音源を再発見できたのも収穫だった。でも、きっかけになったmuxtapeはもうないのがすごく残念。やっぱりいわゆるミックステープみたいな何曲限定っていうフォーマットは、情報があふれかえっているときだからこそ大事だと思っていたからサービスの発想やシンプルなインターフェイスにすごくピンときてたんだけどなあ。残念。


キャラ化とビジュアライゼーション
この手の試みは今年もいろいろでてくるんじゃないかとおもいますよ。モーションキャプチャーのデータに文字を追随させる表現でflasher界隈で話題になってたmediasのサイトも、ベースの発想としてはまさにキャラ化としてのビジュアライゼーションだと思った。わかりやすさととっつきやすさ。アンビエント化とキャラ化ってのはビジュアライゼーションっていう発想の一つ上の概念として今年キーワードになるんじゃないかと勝手に思ってます。


Point of View Point
自分のすきなものをならべただけって記事なんだけど、個人的には満足。最近センサーにひっかかったものとしては、写真家の松江泰治さんの作品がツボでした。街をカチッとクオータービューで撮影したシリーズや、写真のすみにたまたま写った人をひきのばしたシリーズがGoogle Earth的な視点が写真に入ってきてる感じがして、すごく新しい匂いがする。


アンビエント漫画のススメ
なんか妙に最近アンビエントって言葉に敏感。アンビエントミュージック、アンビエント漫画、アンビエントメディア・・・正月に実家に帰ってきてひさしぶりにテレビなんか見ると、これはこれでネットだけに接すとぜったい触れないような情報がたくさん流れてくるので、偶発的に情報に出会う媒体としては適切だなーと。だからただただよわせておく、アンビエントなメディアとしてテレビを捕らえると、ちょっと面白い気がします。去年話題になったUNIQLOCKや、最新の試みであるUNIQLO SHOWw WINDOWをみてるとそのあたりにすごく意識的にやってるんじゃないか、という気がする。


テクノ民族楽器入門
シンセ系ガジェットもいろいろでましたねー。iPhoneアプリの楽器もどんどん増えてるみたいだし、今年はそれぞれのアプリを個人で楽しむだけじゃなくて、セッションとかがどんどんでてきたら面白い。試みで気になっているのはMercedeathさんとこがやってるWorld Jam Band。ustの窓をはりつけただけなんだけど、これで擬似的にセッションしよう、というもの。前にちょっとだけ参加したときは、環境によって遅延時間が変わるからなかなかうまくいかないんだけど、時々オッとなる瞬間もあってちょっと新しい感じ。


離島症候群
沖縄にも行きました。波照間島の海はとにかく綺麗で、一生忘れないんだろうなあ。二回目いくかどうかはわからないけど、一度は行ってみたほうが良いところだと思う。


General Audio Service 01
ウェブ上でのものづくりに僕もなにかコミットできないかってことで、汎用オーディオライブラリを公開。ライブラリ公開して一時間もしないうちにsaqoosha先生が視聴ページつくってくれたのは面白かった。こういうスピード感はネットならではだよね。最近Flasher界隈で話題のWonderflとかもそうだけど、こういうネットならではのスピード感で手っ取り早くコラボレーションというか、コミットし合える仕組みがわかりやすい形で出てくると楽しい。


ゲームとかアートの話
去年最後のエントリーがこれかあ。かなりマニアックな領域の話なんだけど、面白がってくれる方々が多数いたようでよかった。上でも書いたPCのインターフェイスをモチーフにした作品群とかもそうだけど、ゲームやPCがこれだけ生活の中に溶け込んでくると、表現のモチーフになることも多くなってくるというのは、冷静に考えれば当たり前のことなんだけど、すごく面白い現象だと思う。今後もこういう狭くて面白いところを紹介できればなーと思っていますよー。


今年も面白いものたくさん見て、おもしろいものがたくさんつくれればいいなあと思っています。ブログに関していえば、今年は去年に比べてもう少し更新できるといいかな。それと、いろいろ面白そうなお話もいくつかいただいてるので、公開できるタイミングでまたお知らせできればとおもいますよー。それではみなさま、今年も何卒よろしくおねがいいたします!

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