漫画は結構好きなんだけど、性格上完結していない漫画は読めないというのと、最初から完結まであまりに長いと読む前から挫折してしまうので、ドラマチックな漫画というのは最近なかなか読む機会がなくなってきてしまった気がする。
好きなのは、一話完結型で、気軽に読めるようなもの。できればトイレやベッドの横とかにおいておいて、ふとした時に何度でも読めるようなやつがいい。ちょっとしたときに読めればいいから、あんまり大きな展開があると疲れちゃうし、続きが気になっちゃうから、淡々としたやつがいいかも。そんな中途半端な漫画読みに都合よく答えてくれるなあという漫画をいくつかピックアップしてみたら、全体的にふわっとした独特の味わいの漫画のリストができた。単純に癒し系などと表現するのも味気ないので、空気のような、アンビエントミュージックのような漫画ということで、アンビエント漫画と勝手に名づけて、個人的に好きな漫画でもいくつか紹介して、あまりにも更新しないブログの間をつなぐテスト。
あずまんが大王 / あずまきよひこ
絵柄で敬遠してしまう人も多いと思うのだけど、だまされたと思ってぜひ読んでみてほしい。比較的サラッと読める、ちょっと面白い話がたくさん。4コマギャグマンガなんだけど、それぞれのネタが相互に関連していて、時間が少しづつ積み重ねられていくのが面白い。ディテールの積み重ねがキャラクターを構築していって、それを前提としたネタを共有していく、という流れを体感できるのは、オタク文化圏の外側にいると、新鮮かもしれない。いわゆるオタク的なキャラクター消費の本質というのは、こうして「内輪ネタ」をどんどん共有していくということなのだなと気づいたり。瞬きのようにシーンの間を暗転させる、ジムジャームッシュの映画みたい。同じ著者の「よつばと!」もあわせて読みたい。子供の視点に対する発見にあふれていて面白いし、子供と大人の距離感がいい感じ。「クレヨンしんちゃん」は大人がふりまわされすぎる演出が読んでてちょっと疲れちゃうって人もこれならたぶん大丈夫。文庫サイズで出してほしいな。
メディアワークス
始めじわじわ、だんだん爆笑
ありふれた日常も、個性的キャラがいれば輝く
前から知っててタイトルが意味不明な件で買い控えていたがイヤハヤ...
らき☆すたもこの路線
棒がいっぽん / 高野文子
短編集。高野文子の漫画は、その台詞、間の表現、演出が好き。スタイリッシュなのにハナにつかないのが好きだなあ。映画にたとえるなら小津映画?もちろん名作「黄色い本」も好きなんだけど、こっちのほうがなんとなく好き。
マガジンハウス
売り上げランキング: 16361
ノスタルジック
かけがえのない記憶、高野マジック
見えるもの、見えないもの
大事な本です。
遠くへいきたい / とりみき
3×3の9コマのグリッドをフォーマットに、いろいろな工夫がちりばめられる。漫画というよりかは眺めるパズル、といった感じ。ぼんやりと眺めるているだけでいろいろなアイデアが浮かんできて楽しい。
河出書房新社
売り上げランキング: 274283
静かな含み笑い
短篇無声映画の趣き
こんなマンガ、ちょっとない。
ツノ病 / クリハラタカシ
塊魂のなかの人の漫画。学生時代につくったというアニメーションとかもすごく独特の世界観できになってたんだけど、漫画も味わい深い。全編「点とり占い」みたいなトボけた絵柄でシュールな世界が広がる。ストーリーを楽しむ、というよりも、独特のユルーイ空気を醸し出す台詞まわしや、世界の広がりぼんやりと楽しむ感じが好き。
青林工芸舎
めちゃくちゃかわいい!
ニュー土木, トラベル / 横山裕一
不思議なキャラクターがひたすら旅をしたり、何かを成形していく様子を漫画で表現した摩訶不思議な漫画。現代漫画版ルーブゴールドバーグマシーン。読む、というより観察する、という感覚に近い。アントファームでアリが巣をつくる過程をみているような感じか。
イースト・プレス
売り上げランキング: 102210
天然、かつ計算あり。
新しい。
イースト・プレス
インダストリアルトリップ!人間離れした工業コミック
マンガの原点:絵を目で追う悦楽
Spirit of Wonder / 鶴田謙二
科学や技術が人の心を描くために効果的に使われていて、こういうSFっていいよなーと思わせられる作品。寝る前に読むといい夢が見れそうな感じ。1巻が発表されても滅多に2巻が発表されることのない超寡作家として知られる著者の本としてはこのボリュームは貴重かも。
講談社
SFの極
冒険心をくすぐります
雰囲気は好き
日本が世界に誇る素晴らしき漫画。
孤独のグルメ / 久住昌之 谷口ジロー
傑作。食べ物について延々主人公がボヤく漫画。ミもフタもない言い方をすればそれだけの漫画なのに、読み終えた後は、今日のお昼はちょっと知らない洋食屋にはいってみようかなあ、なんて気分になってくるから不思議。美味しんぼは時々マッチョすぎてしんどいけど、これなら好きだな。久住昌之と谷口ジローの同コンセプトの「散歩もの」って作品もあるけど、ボヤき度が低くてあまり肌にあわなかった。
扶桑社
「失われた10年」時代の雰囲気が伝わってきます
これはいい本だ 実に面白い・・・昔読んだ文庫版よりずっと面白い・・・
祝新装版発売!しかも単行本だ!
特別鼎談での谷口ジローのコメント。本作品のファンには、興味深いものです
ウルトラヘブン / 小池桂一
ストーリーを楽しむというよりかは、曼荼羅を見て楽しむように絵の面白さを楽しむ感覚。視点のジェットコースター。ポンプバーのマスターがバロウズそっくりで、とっておきのカクテルの名前が「ノヴァエクスプレス」(ノヴァ急行)だったりして、そのへんが好きな人はニヤニヤっててところも。2chでアシッド版諸星大二郎って書いてる人がいてなるほどなーと思った。
エンターブレイン
きっとこんな感じなんだろうな
サイケデリックマンガ
ペーパードラッグ
理想的トリップ表現!!
センネン画報 / 今日マチ子
今日マチ子のセンネン画報が単行本化。女の子のスカートの揺れる様子とか、匂いとか手触り。写真で生け捕りにできないものを漫画の表現をつかって生け捕りにしたような不思議な散文的漫画。まさにアンビエント漫画と呼ぶにふさわしい作品。
太田出版
感触の画家
用法用量をお守りください
どきどきする、ハッとする、、、オモシロイ
世界でいちばん美しいマンガ
なんかただの好きな漫画紹介になっちゃった。あとは横浜買い出し紀行とかいい雰囲気だと思ったけどまだ全部読んでないから今回は保留ー。こんな漫画が好きな方、これもいいよっていうのがあったらぜひ教えてくださいませー。