One Nation Under a Rule




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ま、当たり前といえば当たり前なんですけれども

「あるルールの下につくられたものは
いつどこでつくられたものであっても、
そのルールによって統合可能である」

ということが、近頃とても気になっていたり。
マッシュアップなんつってね、整理された情報をガンガン統合して新しいものをつくる時代だからこそ、この考え方を研ぎすましていくのは重要なのかなと。

まだあまり考えがまとまっていないのだけど、以下ヒントになるようなものをいくつか。

Gnarls Barkley Crazy Theremin Jam

テルミン神演奏も見所なんだけれども、注目すべきは別々の人たちが別々のタイミングで撮影した演奏を合成して一つの曲にしているというところ。テンポとコードと進行を「ルール」として共有しておくとこういうことができる。(実は、実際ぼくらが普段聴いてる音楽のほとんどはこういう方法でつくられてたりします。せーの!で一気に演奏してレコーディング終わり、っていうのはほとんどなくて、あとから「ここのパートだけ直す」とか普通にやる。)


らき☆すた OP「もってけ!セーラーふく」 セッションその2

日本でも同じような試みが。多分これって、最初からこういう形にしようとおもって撮ったんじゃなくて後からくっつけたんじゃないかな。決まった曲の上に自分の演奏をのせているわけだから、テンポとかコードは一定のルールに従っているから、後から合成しても違和感ナシ。


Stevie Wonder Duets
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以前紹介したOliver Laric氏(こっちの記事でも今回の記事にリンクするPhilippe Decoufleの話をすこし書いてます)の作品。youtubeで公開されているStevie Wonderの曲を演奏している映像と歌っている映像を集めてきて、それを一曲になるように無理矢理マッシュアップした作品。これ見て地団駄踏んだ人沢山いるんじゃないかなあ。いろいろ応用ができそうなアイデア。それにしても、この人の作品は、どれもアイデアそのものが形になっていてすごく素敵。


Polyrhythmation

リズムの構造に注目したマッシュアップ。拍数の一致しないリズムを同時に演奏するポリリズムの構造で作られたDate Course Pentagon Royal Gardenの「構造 I 現代呪術の構造」と色々なダンスアニメを合成したもの。右が4拍子で左が5拍子になっている。楽曲の構造が映像をみると立体的に浮かび上がってきてドキッとする。

ダンスっていうのは決まったテンポ(ルール)の上になりたっているものだから、再利用がしやすいわけで。そういう素材を元にBPMをあわせて曲をつなぐ、という音楽の手法をそのまま映像のアダプトするというのは誰でも思いつくよなあ。だから昨今のハルヒとからきすたとかオープニングにすごく精度の高いアニメーションをもってくるというのは、あらかじめマッシュアップとか、実際に踊ってみる、みたいなバズ効果を最初から狙ってるようにも思う。


UNIQLOCK

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踊りとリズムつながりでこれ。UNIQLOCK。これは時間という一定のリズム(一分間で60回のリズム=BPM60あるいは倍の120)をルールとして共有して、踊りと音楽をバラバラにつくったんじゃないかな。音楽はBPM60か120ぴったりで、というオーダーで、ダンスはメトロノームにあわせてカッチリ踊ってもらった映像をランダムに合成していくと。


Jamie Lidell - New Me

ちょっと変わり種。同じポジションから撮るというルールで撮影したバラバラの素材を合成して沢山の人が踊っているように合成したもの。面白い効果が。


事例がほとんど音楽になっちゃったけど、音楽に限らず、色々なものに活用できそうだなという気がする。例えばスポーツ。全世界の人が決まったルールの上で、決まったサイズのフィールド上で動く。しかもほとんど決まったアングルから撮影されるから、うまーく合成するといろいろ面白い映像ができそう。世界中のサッカー場の試合の様子を横から、きまった画角で撮影して、ぐるっと円形につなげると、世界がサッカーフィールドで一つにつながったりとかね。なんかいろいろできるんじゃないですかね。


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