マイクロ・インサイト系




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Twitterの登場によって、ひとりひとりのちょっとした心情の変化やひとりごと、いままではネットにうかびあがってこなかった言葉がネットにあがってくるようになってきた。そこで、どんどんネットに流れ込んでくるひたすら雑多な言葉の断片をフィルタリングし、気づきを抽出するというアプローチが出てきていて気になっている。このアプローチは、たとえばブックマーク数とか星の数とか数値化できるものをあつめてランキングを生成するアプローチとはちょっと違って、独特の味わいと示唆にあふれている。これを「マイクロ・インサイト系」と勝手に名付けてみたい。(まあ身も蓋もない言い方をしてしまえばTwitter検索キーワード芸みたいなものなんだけど。)


■気づき抽出

voice of awareness #kizuku
日常の中の気づきを#kizukuというハッシュタグとともにTwitterに投稿すると、いろいろな人の気づきとともに、日刊の新聞の体裁にまとめられるというもの。あくまで無自覚な人たちの雑多な言葉の中からヒントを得るというのがマイクロ・インサイト派の醍醐味かなーと思うので、これは「気づき」に自覚的な人たちがやっている意味で今回の趣旨とはちょっとずれるかも。

ふむふむ(@fmfm_collector)
パブリックタイムラインにあがってきた発言のうち「ふむふむ」という言葉が含まれる言葉をひたすら集めている。勉強になるな、なるほどな、と思ったときのうなずきをうまくキーにすることによって、気づきを集めている。


■ネタ抽出

ふいったー(@fuitter_bot)
これは面白いものを見たときによく使う「ふいた」というスラングに注目したもの。「噴いた」を抽出してつぶやく。面白コンテンツが抽出できる。

急募くん(@kyubokun)
「急募」という言葉がふくまれる発言をあつめている。即時性のあるネタが抽出できる。Twitterならではの面白いアプローチかも。


■イライラ抽出

bombtter(@bombtter)
イライラしているものなどに対してつかう言い回し「爆発しろ!」に反応。いろいろな人が何にイライラしているのかを抽出できる。

空目ったー(@sorametter)
見間違えた時によくつかう言い回し「○○を××に空目」に反応。見間違えやすい言葉などを抽出できる。


同様の発想で考えると、たとえば「必見」とか「必読」という言葉でオススメされているものを抽出しても面白いだろうし、「失念」だと忘れやすいものが抽出できる。笑いを表す「w」の数によって笑いのレベルを検知してみるっていうのも面白いかもしんない。

サブカルパジャマトークのよしこさんの提唱する「ムフとイラフレームワーク」というのはまさにこの発想で、日常の中の小さい「ムフフ」と「イライラ」の中にアイデアの種が隠れているという発想だ。(ちなみに彼は「ぐりとぐら」をあしらったお手製のA4シートにさまざまなムフフとイライラを書きためている!)

というわけで上記のマイクロ・インサイト系のアカウントは企画考えたりするのが仕事の人はフォローしとくといいかもしれないよ。

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