君は修悦体を知っているか




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2004新宿駅工事案内板のフォント

首都圏近郊にお住まいの方なら一度は目にしたことがあるのではないか。新宿東口の工事中に工事の板にガムテープで組まれた案内表示の数々。独特のバランス感覚と、テープでつくられたとは思えない素晴らしい造形が気になっていた人も多いはず。そんな文字についてのドキュメンタリーを発見!この文字をデザインしたのは、なんと警備員の佐藤修悦さんという方だった!

新宿ガムテープ道案内のこと

新宿ガムテープ道案内のこと(2)

[DARAOでまとめて見る]

案内表示というと、欧文体だとFrutigerが思い起こされる。この書体はスイスのタイポデザイナーのAdrian Frutiger氏によって、フランスのシャルルドゴール空港のためにデザインされたもの。遠くから見ても視認性が高くなるようにデザインされていて(例えば、Frutigerで打った文字をある程度ぼかしをかけても文字の違いが分かる)、現にJR東日本の標識の英語表記でもFrutigerが使われている。

「修悦体」は、そうしたタイポデザイナーによってデザインされた文字とはまったく違うところから、暫定的に、必要にかられて、テープをつかって、まさにブリコラージュによってつくられたタイポグラフィで、通常のゴシック体にはない、独特の味を感じるデザインが魅力。この文字をみていると、なんというか、コミュニケーションとしてのデザインの本質をかいま見れる気がする。なんていうと大げさだろうか。


このドキュメンタリーを製作したのはトリオフォーさんというグループとの事。トリオフォーさんのサイトでは、修悦体について、さらに詳しく掘り下げてらっしゃいます。修悦体について興味が湧いた方はぜひこちらへどうぞ→ナントカグループ トリオフォー[34]


タイポグラフィに関してはこの本が面白い。

タイポグラフィの読み方 (新デザインガイド)
小泉 均
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4 そんなことはない。良書の範疇だと思う。
3 別段優れてはいない
5 文字デザインに行き詰まりを感じている方に
5 複雑なものも実は基本の繰り返し
5 タイポについて熱く語る


佐藤修悦さんオフィシャルの本がでたそうです!

ガムテープで文字を書こう! ―話題の新書体「修悦体」をマスターして
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