Game x Art




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shooter game art list - Maia Engeli

以前The 1K Projectに関する記事で少し触れた、ゲームのエンジンを二次利用するタイプの作品がまとまって紹介されてる。strip, shift, impose, recycle, overload, spill, breakoutという切り口も面白い。

mashupというか、hackというのか、その境界線は曖昧だけれど、テクノロジーを本来の用途とは違う用途に使う、という行為は、ものすごい可能性を孕んでいると思う。好例として、Roland TB-303の魅力的なエピソードを引用する。

ベース音色に特化し、またシーケンサーを内蔵していたことで短いループをプログラムし本体に記憶させることが出来た。本体の大きさはコンパクトで持ち運びが容易であった。同時期に発売されたリズムマシンTR-606とデザインが統一されており、二台を合わせて使う事でリズム隊を自動演奏できるというのが発売当時のふれこみであったが、当初はベース音色の再現が十分でないなどの理由で人気機種にはならなかった。<中略>そもそもの発端はシカゴのハウスクリエイターDJ Pierreが楽曲製作の際にベース音源として中古の303を入手したところから始まる。だが、そのとき偶然フィルターの設定が全開になっていた事から、彼はこの奇妙なサウンドの独特の魅力に気づき、それを最大限に生かす方向で曲を製作した。この曲はPhuture名義で『ACID TRAX』としてリリースされた。既に既存のハウスミュージックのフォーマットからは大きく逸脱する作品となったが、結果的にこの作品はダンスミュージックシーンに絶大な衝撃を与え、アシッドハウスというひとつのジャンルを確立するまでに到る。

そういえば「PhotoshopやIllustratorというソフト上でモノをつくっている限り、なにを作っても結局はソフトウェア上の、想定されたアルゴリズムの組み合わせにしか過ぎない」っていうような過激な言説が出てきたのが数年前。それは当時の音響派とかgenerative designというムーブメントをガッチリ補強していったわけだけど、上で挙げたのhackartとでもいうべき流れは、同様の匂いを感じつつも、根本はまた全然違うもののような気もするし...うーむ、面白い。


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