ヨーロッパ旅行レポート:アムステルダム編(下)




オランダ名物の風車にガッカリしたり、どんよりとした雲から突然太陽の光が差したり、フーリガン風のスリにヒザ蹴りをかましたり、色々あったけどいい街だったオランダ、アムステルダム編(下)。

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天気はあいにくの雨。少し遅めの朝食を済ませ、シャワーを浴びてから駅とは反対方向へ歩き、美術館が密集している地区へ。Van Gogh Museumを見る。

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*Van Gogh Museumの入り口

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*エレベーターに貼られていた妙に生々しい注意書き

ゴッホの作品や、ゴッホの集めていた浮世絵等膨大な量の作品を一気に見ることができる。自殺する前に描いたゴッホ最期の作品といわれているWheatfield with CrowsWheatfield under thundercloudsがかなり強烈なオーラを放っていた。あと、新館でやっていたFollow Van Goghというゴッホの軌跡を追う写真展がかなりよかった。美術館を出た後、トラムに乗って中央駅まで移動。あぁ、なんて楽なんだろう。

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*中央駅の前にあったポスト。カッコイイ。

中央駅に着くころには雨は大分小雨になっていた。遠くで少し光が差してるところもあるし、もしかしたらこのまま晴れるんじゃないかという都合の良い予測の元、オランダに来たからにはやっぱり風車が見なくちゃ。というわけでガイドブックにも乗ってるZaanse Schansへ行く事にした。Zaanse Schansまでのチケットを買う前に国際線窓口で明日のMunchen行きの寝台列車を予約。20:25アムステルダム中央駅発、翌朝7:30にはMunchen到着。到着と同時にその日のBerlin行きの寝台を予約すれば1日移動日が浮いてMunchenで遊べるというわけ。ちとキツそうだけど...

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*駅で見つけた工事の看板。Masters At Workの元ネタはコレか!

自動窓口でチケットを買おうとするもオランダ語なのでさっぱりわからず、チケット窓口へ。Zaanse Schansへと言うと、窓口のおじさんに「雨なのに行くの?」と言われ、少し怯むが「そうだ」というと「旅行者はいつも忙しいんだね」とチケットの裏に電車の出発時間とプラットフォーム番号を書いてくれた...大雨にならなきゃいいけど...出発まではいくらか時間があったので駅の売店で昼食用にサンドイッチと水を買っておいた。

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アムステルダム中央駅からZaanse SchansのあるKoog Zaandijk(もはや何と読むのかすらわからない)までは20分程。意外と近い。中央駅から10分くらいすると緑が多くなってきて、時々風車が見えたりする。Koog Zaandijkの近くにはカルフォルニアのTehachapiにあるようなハイテク風車がポツポツと立ってるのだけど、オランダ!って感じの風車が見当たらない。Koog Zaandijkに到着しても風車なんて一個も見当たらない。本当にここでいいのかと不安になりつつ、Zaanse Schansの矢印に従ってひたすら歩く。

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*本当にコッチでいいのだろうか...

人数の少ない住宅地と工業地帯を抜けると風車小屋が角に一軒だけ建っていて、何ともいえない香ばしい臭いが漂っていた。窓から中を除くと小さい木靴が見えた。あー、なるほどこういう感じの風車が沢山あるのかな、と思いつつ角を曲がると沢山の風車が...!アレ...片手で数えられるほどの風車が点々としていた。風がめちゃくちゃ強いのでグルングルン回っている。あれー、なんか想像とちがうなあ...ハウステンボスですか?

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*え...これだけ?

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*風車の向こう側には工業地帯が広がっている

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*羊が草食べてる以外何もない...

めちゃくちゃ造られた感アリアリの町並み、申し訳程度の風車、振り向くと空一杯のどんよりとした雲に草原という、ついさっきゴッホ美術館で見た絵と同じような風景がひろがっている...うーん、うまく言語化はできないけど何かがわかってきたような気がするぞ。コートの襟をたててベンチに座って水を飲んでいると、突然雨雲が割けて西日が差し込んで来た...スゴイ!

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*太陽の光が川で反射してめちゃくちゃ綺麗だった

今回の旅行の中で一番感動した瞬間かもしれない。風車がまるで太陽の光で回っているかのようだった。ベンチに座ったまま、ヘッドフォンで大音量で音楽を聴きながら太陽が沈んでいくのをずっと眺めていた。

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*帰る頃はこんなでした

中央駅からホテルへ帰る途中、フーリガン風の男が「おいジャパニーズ、いいコカあるぜ」と絡んで来た。売人ならもっとコソコソしてそうなものだが、やたらおおっぴらに絡んでくる。めちゃくちゃアヤシイ。無視しているとサッカーボールをパスするような感じで足に軽く蹴りをいれてきた。完璧にキマってるのかと思って「やめろ」とかあしらってるうちにジーパンの後ろのポケットに手を入れてキタ!足を蹴ってそっちに注意を向かせている隙にスるつもりだったらしい。さすがフーリガン。あいにく後ろのポケットには何もいれてなかったが、逃げようとする男の手を掴んで(やたら沢山指輪をつけていた)ひざ蹴りを食らわせてホテルに逃げ帰った。あー、ドキドキした。さすがにヤバかった。


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今日はアムステルダム最終日。朝食後シャワーを浴びてから荷物をまとめ、チェックアウトを済ませた。夜行列車で発つので夜まで荷物を置かせてほしいと言うと、フロントで預かってくれる事になった。やった。

目欲しい所は大抵回ったので、あてもなく街をブラブラする事にした。

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*ヨルダン地区の町並

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*インテリアと店員が可愛かったcafe(w

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*工事現場にあったコンクリミキサー。Remixって。

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*Amsterdam Invaded!

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*最後の最後に見れたオランダのチューリップ

こんな事があった。道を渡ろうとした時ちょうど自転車が走ってきて、ちょうど自転車が通るのを邪魔してしまう形になってしまい、自転車がキキッと目の前で止まった。こりゃとうとう絡まれるなと思わず身を固くすると、自転車に乗った男は「さあどうぞ」とニコニコしながら合図をしてくるじゃないか。同じような事は自動車でもあった。ホテルのじいさんも愛嬌のあるいい人だったし、なんだかアムステルダムには(例え大麻で目が真っ赤でもw)ピースフルな人が多いように感じた。町並みも綺麗だし、いい街だった。20:50、後ろ髪を引かれる思いで寝台列車に乗り込んだ。

寝台室は...狭ッ!本当に寝るだけの所なんだ...韓国人のグループと部屋が一緒になった。英語が話せる人が一人いて、色々話す。韓国では今グループバックパックツアーというのが流行っているらしい。(そういえば一昨日も中央駅でバックパックツアーでヨーロッパを回っているという韓国人に会ったっけ)兵役のこと、韓国では岩井俊二の映画が流行っている事、鞄の事を「カバン」と言うこと等話題は転々。日本人っぽい顔の子がいるんだと紹介された同い年の女の子は確かに日本人っぽい顔をしていて、韓国人と日本人の顔の特徴の違いって何だろうと少し考えたがわからなかった。ビールを一本わけてもらってみんなで乾杯。疲れていた事もあってビールを飲み終えるとすぐに眠くなった。耳栓をつければ電車の音もそれほど気にならなかった。

目が覚めればミュンヘンだ。

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