ヨーロッパ旅行レポート:アムステルダム編(上)




殺風景都市ブリュッセルに耐えられず、列車で一気に北上し、オランダの首都アムステルダムに到着。オランダといえば風車に美しい運河にチューリップ...だけじゃないのは周知の事...というわけで、ちょっと危ない橋も渡ってみました、オランダ、アムステルダム編(上)ちょっと量が多いので二回に分けてのレポートです。

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中央駅でユーレイルパスをvalidateし、Amsterdam行きのInterCityに飛び乗る。Eurostarと違って指定席では無いので結構内装はゴチャゴチャしているが、座席はデカいのでゆったりできる。ところで、途中アントワープから乗ってくる人達は皆オシャレだった。ハイファッションな装いの人達がドッと乗ってきた時は、思わずゲリラファッションショーが始まったのかと思ったほど。

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アムステルダムセントラル駅に降り立つと、早速あの甘ったるい草の臭いが...という事は無かった。ポテトフライを食べている人がやたら目に付く。おいしそうなので駅の中にある売店で買って食べてみると...ウマい!(ちなみに向こうはトマトケチャップやマヨネーズといったトッピングが有料だ)お腹がすいていたのであっというまに平らげてしまった。これ、けっこうお腹一杯になる。腹ごしらえしたところで、とりあえず宿を探さねば...駅前は汚いしうるさいので、ガイドブックにも載ってるヨルダン地区にあるホテルに行ってみることに。ちょうどニューイヤーパーティーをやっていたそうで、フロントに行くと丸眼鏡のおじいさんが顔真っ赤でヨロヨロしながら出てくる。大丈夫か?シングルは一晩40euro(1euro=140円くらい)との事。ちょっと高いけど別のホテルを探してウロウロするよりもずっとマシなので(ロンドンの教訓)とりあえず一晩泊まって満足できたら3日間泊まりたいという話をとりつけ、部屋のカードキーを貰う。お、なかなかいい部屋じゃん。オートロックだし。(ベッドが二つあるので、シングルルームのはずなのにと確認したら、同じ値段だから広い方がいいでしょ?との事。やったね。)

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よく寝れた。さすがにこの時期になると時差ボケもすっかり克服。朝食がウマい。ただのトーストなんだけど(いわゆるコンチネンタルブレックファーストってやつ)チーズとジャムがすごく美味しい。コーヒーもおいしいし、大満足。フロントであと2日泊まりたいと告げると即OK。安心。部屋に戻り、小さいバックに必要なものだけつめこんで外へ出る。

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朝のアムステルダムはひんやりとしてとても静か。時折運河に浮かぶボートが岸にぶつかるゴツゴツという音が聴こえたりするのがなんとなく良い。綺麗な街だ。天気がいいので気分もよくなってくる。散歩がてら中央駅まで歩くことにした。よし、今日は精力的に街を歩こう。

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中央駅に行く途中、レコード屋の横の壁にニューイヤーパーティーのポスターが貼られていた。ウオッ、DJ ROLAND来たんだ!と思ったら...DJ ORLAND。オランダかよ!ついでにレコード屋を発見軽く偵察。ディープハウス系の割合が多いなあ。置いてあるフライヤーもそんな感じのが多い。

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人の流れを追ってダム通りへ抜ける。よくみるとアムステルダム中央駅って、これ東京駅にソックリだぞ。(東京駅はアムステルダム中央駅をモデルにしているという説があるらしいが真相は定かでは無い)駅のチケット売り場でBerlin行きとMunchen行きの寝台列車の料金を聞く。Berlin行きの寝台列車は無いらしく、Munchen行きの寝台は座席なら9ユーロ、1部屋6台の簡易ベッドで23.5ユーロ。現地には朝7:30頃到着予定。Berlinまで直接行くかMunchenを一日ブラつくか考えたいので明日改めて予約する事にした。そういえば、チケット売り場で待ってる間に隣にいた人のよさそうな韓国人が話しかけて来たので少し話す。彼は友達と数人でヨーロッパを旅行をしているらしく、これから列車を予約してチューリッヒまで行くらしい。大変だ。

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駅を出てダム通りを歩き、左に曲がり少し歩くと、そこは飾り窓地帯。治安が悪いと聞いていたので、恐いので朝来てみた。オランダでは大麻同様売春が合法。政府から許可をもらった売春婦がこの周辺で赤いライトのついたショーウィンドウ(飾り窓)に自らを商品として陳列しているというわけ。夜になるとこのへん一体はライトで赤く染まるので、Red Light Districtとも呼ばれ、観光名所と化している。どうやら昼間でも「営業中」の人達は多いようだ。ガラスのドアの向こうで下着姿の女性が退屈そうに煙草をくゆらせてたりする。黒人に白人、アジア系、信じられないくらい綺麗な人からものすごいオバチャンまで、色々な人がいる。うーん、こりゃ面白い。好奇心と多少のスケベ心で中学生のようにヘラヘラしながら歩いてたら、突然スターウォーズに出てくるジャバのような、ブクブク太った売春婦がものすごい小さい椅子に座って(というよりハマって)スナック菓子をボリボリ食べてるのには噴いた。こんな人もお客がいるのかと思うと、世界は広いと実感せざるを得ない。あとこの近辺にはアダルトショップやストリップ劇場も多い。道の横にチ○コの形をした噴水があったりして正に大人の遊園地といった感じだが、自転車にのったおばさんがが売春婦にガンバレヨー、みたいな感じで手を振っていったり、観光客らしき一団がチ○コの噴水の前で記念撮影してたり、意外とあっけらかんとしている。余談だが、アムステルダムの市のマークはアムステルダム王室の紋章である「XXX」。大火を忘れるな、ペストを忘れるな、洪水を忘れるなという意味らしいのだけど、最初見た時はどうしてこの街にはそこらじゅうにアダルトショップがあるんだ!とびっくりした。(バカ)

ダム通りに戻る途中黒人の売人からエクスタシーとコカインを買わないかと聞かれる。(全体的にこの街には売人が多い、少し外れた路地を歩くと、すれ違い様にボソッと「コカ」とかささやかれたりする)値段は言い値でいいとかいうのがめちゃくちゃ怪しい。ケミカルには興味無い、というかそもそもクリーンだ、等とかわす。

ダム通りのインターネットカフェでメールチェックをして、駅まで戻る。どうしようか...ホテルにおいてあったAMSTERDAM MUSEUMS FREE MAP(かなり良い。アムステルダム滞在中はお世話になりっぱなしだったパンフレット。街全体の地図が乗ってるし、thonikというデザイン会社が手掛けたデザインも可愛くて見やすい)を開いた。以下ダイジェスト。

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*ARCAM - Amsterdam Centre for Architecture

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*フリーマーケット

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*レンブラントの家

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*アンネフランクの家

一番印象的だったのはアンネフランクの家。展示方法とかものすごくよくできてるし、本で読むだけじゃなくて、アンネフランクが実際にここに暮らしていたかと思うとやっぱりショッキング。ネオナチの台頭、みたいなタイトルでアンネフランク象の台座にスプレーでカギ十字が描かれている写真はものすごいインパクトだった。

レンブラントの家の近くを歩いてたら突然背の高い帽子をかぶったお爺さんに煙草を分けてもらえないかと聞かれた。1本は普通に吸って、2本目はジョイント(大麻と煙草をまぜて巻いたもの)に使いたいという。なるほどアムステルダムといえばチューリップに風車、飾り窓にハッパか、と思い、コーヒーショップへ向かった。

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*コーヒーショップGreen House Effect。Green House系列かと思ったらどうやら関係ないっぽい

アムステルダムでコーヒーショップとは大麻を扱っている店を指し、普通の喫茶店はカフェという。中に入ると奥にカウンターがあり、軽く挨拶すると商品リストをカパッと見せてくれる。いくらソフトドラッグが合法といっても、そんなに大っぴらに売っているわけではないようだ。18歳未満は喫煙禁止、ハードドラッグ、アルコールの持ち込み禁止がルール。店内はダウンライトで薄暗いがカフェ風の薄暗さとでもいうのか、そんなに怪しい感じはしない。机と椅子がいくつかととソファーがおいてあり、数名の客が熱心にジョイントを巻いていたり、ボーッとしたりしている。せっかくなので店員に色々聞いてみた。紅茶の葉っぱみたいにいろいろな種類があって、草の種類によって「効き」が変わってくるらしい。一番スタンダードなのはWhitewidowという銘柄、でも人それぞれだから一概にどれがベストってもんでもないらしい。へぇ?、勉強になった。

ホテルに帰る途中のスーパーでキットカットのでっかいやつ4つがはいったパック(やたら安い)とコーラと水を買う。

ハァ、疲れた。今日はとにかく歩いた。部屋でシャワーを浴びてから今日歩いたルートを地図にマーカーで印をつけた。なんかアムステルダムの端から端まで歩いてるんですけど...疲れるわけだ。アムステルダム自体が小さい街なので、「ここまでなら歩けそうかな...」→「ああ、やっぱツライ...」→「トラム(アムステルダムを縦横無尽に走っている路面電車)に乗っちゃおうかな...でもここまできたら歩くか...」という泥沼パターンに陥りやすいので注意。

部屋で少し休んでからホテルの近くのレストランで食事をした。出た時に気付いたのだけど、レストランの隣もコーヒーショップだ。どこにでもあるんだなあ。アムステルダムにはコーヒーショップが300件近くあるらしい。年に一度、その店が一斉に持ちネタの品質を競うカンナビスカップというお祭りまで開かれるというから驚きだ。

部屋に帰ってベッドに横になるとグーンと沈み込む感じが最高に気持ちよかった。疲れてるのだ。着替えてから部屋を片付け、電気を消して布団に入り、ヘッドフォンを付けた。Monolakeを聴きながらどんどん音の細部細部へと耳をすましている内にすっかり眠ってしまっていた。

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