Michel Gondry 新作




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Hardest Button to Button / White Stripes

大人気のMichel Godryの新作、ギターのJackが復帰したばかりのWhite StripesのPV。またしても音、特にリズム構造を忠実に映像化している。ハンディカメラでコマ撮り、という感じ。(そういえばWhite StripesのFall In Love With A GirlのPV(やはり、Michel Gondry監督作品)もレゴブロックでコマ撮りだった)面白いけれど、リズムの視覚化という点においても、映像のクオリティにおいても、Star GuitarのPVを超えれていないなあ、という感じがしてしまう。

昔書いたStar Guitarについてのメモを引用:
音楽を視覚化するというプロセスには二種類あると思われる:一つはミクロ的な視点。音の強弱、高低を視覚化するもの、つまりFrequencyやAmplitudeといった音の構成要素に時間という軸を与え、映像化するもの。一番分かりやすい例がオシロスコープやスペクトラムアナライザー。もう一方はマクロ的な視点。音一つ一つよりも楽曲の展開に視点を置き、長いスパンで変化するようなもの、前者よりも(音の視覚化という点において)抽象性が高くなる場合が多く、楽曲の展開を物語に当てはめるようなドラマチックなPVはこれにあたる。"Star Guitar"のPVは、どちらかというと前者にあたる。この構図はシーケンサープログラムに非常によく似ている。カーソルが時間軸にそって流れ、音符の上を通過すると音が鳴るというものだ。"Star Guitar"はまさにこの仕組みの映像への応用。つまり、時間軸を空間軸のX軸に当てはめ、カーソルとして電車を走らせた、というわけだ。このパラメーター設定を変えるだけで別のバリエーションの作品を作る事ができるが、前例としての"Star Guitar"のPVをどう超越するかが課題となる。

楽曲の構造に注目すると、やっぱりシーケンサーみたいな映像になってしまうんだよね。そこを一つ飛び出して、音響的な構造に注目してつくられた映像の最高傑作として、AutechreのGantz GrafのPVを挙げておこう。Alex Rutterford監督作品。

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