照明化する映像と変容する空間




RE[ ] / Responsive Environment

かなり昔から映像をつかった空間演出等をやっている方々。

普段、異なる分野で活動を行うメンバーがコラボレーションを行なう際の共通言語は、「空間」である。建築家、作曲家、振付家やデザイナーは全て、本来的に空間を媒体とした表現者であるといえる。こうしたインターディシプリナリーな場で相互に空間について語るとき、そこには必然的に時間や動きが重要なファクターとして介入してくる。

そうそう、僕が全く畑違いの事をやりつつ、何故か空間デザインの会社から内定をもらっちゃった裏にはこういうメカニズムがあったというわけ(笑...って、笑えねえぞ、どうすんだ?)まさに僕が面接で話した事と同じ事を言ってる。

プロジェクターの登場(厳密に言えば、映写機を映画館から持ち出した、という事)というのは実はものすごい事で、プロジェクターは映像というソフトウェア的なコンテンツと照明という空間の1パラメーターのボーダーラインを取り払ったと思う。究極的には、プロジェクターって影絵なんだけど、「光と影」のコントロールを、ものすごい解像度で行えるようになったという事は、やはり、ものすごくデカい。

映像とか音といったソフトウェア的なコンテンツが空間に介入してくるという現象はここ数年で顕著になってきている気がする。Q-FRONTTHINKZONE、VJの登場etc...モーショングラフィックという新しい分野は、映像という切り口ではなく、むしろ空間演出の一つとして語られるべきだったんじゃないだろうか。

話は戻って、RE[]の方々が1999年に手掛けたパーカッショニストとのコラボレーション「CUT」は、かなりヤバそうだ。空間がモアレをおこす感じなんだろうか?とにかく映像=照明が空間を大きく変容させた好例だったに違い無い。そして、ARCHIVESで聴く事ができる音も、この作品にまつわる会話をズタズタにCUTUPしたようなもので、かなりかっこいい。

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